秩父神社
「つなぎの龍」-左甚五郎作-
その昔、秩父札所十五番小林寺近くに「天ヶ池」という池がありました。その池に住みついた龍があばれた際には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていたことから、この彫り物の龍が鎖でつなぎ止めたところ、その後、龍は現れなくなったという不思議な伝説が伝わっています。
ご本殿東側の鎖でつながれた青い龍の彫刻こそ、この伝説に語られた「つなぎの龍」の姿なのです。昔から日本人は、家や地域の四方を青龍、朱雀、白虎、玄武という神使が守っていると信じてきました。この彫刻も、当社の東北(表鬼門)を守護する青龍の姿を、名工左甚五郎が社殿彫刻に施したものなのです。
家の鬼門に神仏を祀り、家内の安全と子孫の繁栄とを祈ることが行われてきました。夫婦や親子といった家族の絆が見直されている現代にあって、多くの庶民の願いは今も昔も変わりありません。この「つなぎの龍」の特製絵馬を、各家庭の居間や東北の角にお祀り戴き、ご家族皆々様のお幸せをお祈り戴きますようご案内申し上げます。
「北辰の梟」について
ご本殿北側中央に彫刻された梟は、「北辰の梟」といって、菱川師宣描く有名な浮世絵の「見返り美人」よろしく、体は正面のご本殿に向き、頭は正反対の真北を向いて昼夜を問わずご祭神をお守りしています。
当社のご祭神である妙見様は、北極星を中心とした北辰北斗の星の信仰で、この梟の見ている方角に妙見様が出現することからも、ご祭神と特に縁りの深い瑞鳥であると言えるでしょう。
洋の東西を問わず、梟は智恵のシンボルと考えられており、当社のご祭神 八意思兼命が智恵の神として崇敬の篤いことと重ねて、思慮深い神使として社殿北面に施されたものと思われます。
このご利益にちなんで、机上に置いて学業成就の霊力を得る「梟の置物」をはじめ、「梟=不苦労」に通じることから、開運招福の標とし素焼きの音色が楽しい「梟の福笛」など、参拝の記念にお受け戴きますようご案内申し上げます。
「瓢箪から駒」について
秩父夜祭の神様は、お神輿ばかりか御神馬に乗ってもお旅所にお渡りになることから、毎年十二月三日には本物の馬二頭が奉納され御神幸にお供をしています。それにちなんで、当社では「妙見御神馬守り(勝守り)」を授与しています。 よく知られている馬に関する諺に、「瓢箪から駒が出る」というのがありますが、意外なところから意外な発見や出会いがあるかもしれないということで、まさに開運招福を意味するところです。
当社の例大祭である秩父夜祭では、「ホーリャイ ホーリャイ」と囃して屋台を動かしますが、これはそもそも当社を仙人が住むという伝説の島<蓬莱山>に
準えての呼び方なのです。ひとつひとつの彫り物の中にも数数の物語が潜んでいるのでありそれにになんだお守りを身に付けられることで、きっと運気を開かれることと思います。皆様に幸運を招く標として、当社のお守りをご案内申し上げます。
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